
- 作者: 志賀瞳(hitomi)
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川マガジンズ
- 発売日: 2017/03/23
- メディア: Kindle版
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メイドカフェブームはここから
オタクではない一般の女子高生を入れることで、店の雰囲気やお客さんの流れが変わるかもしれない、風向きが変わるかもしれない
メディアに出まくり、メイドカフェブームを巻き起こした中心人物であるhitomiがまだメイドになる前のギャル女子高生だった頃の話。
当時メイドになる子はほとんどオタクだったようです。ですが、アニメや漫画とは無縁のhitomiを面接で通したのは、社長にこのような思いがあってのことでした。
これがなかったらメイドカフェという存在が日本から消え去っていたかもしれません。
バカにする輩
高校を卒業して久々に会った友達に「今も"ご主人様"って言ってるの?」と少しバカにした感じで聞かれることもあって
メイドカフェで働くことへの偏見がここでは如実に現れていますね。僕が最近行ったお店の子もメイドカフェでアルバイトしていることを友達には秘密にしているようでした。
チェキにメッセージを書く時に使うペンのインクが手についたことに気付かず、友達に「それ何?」と言われ必死に隠したと聞きました。
お前がミッキーマウスになれ!
みんなミッキーマウスに会いたくてディズニーランドに行くけど、その中に入ればミッキー以外にもたくさんのキャラクターがいるし、アトラクションやショーもあっていろんな楽しみ方ができる。
結局ミッキーに会えない人だっているけど、それでもミッキーが象徴として存在していることでディズニーランドランドは成立してる。
同じようにhitomiがもっと表にでることで、@ほぉ~むカフェの象徴になっていけばいい。お前がミッキーマウスになれ!
メディア対応やアイドル活動によりお店にいる時間が減ることで、接客との両立が上手くいかなったり、周囲との摩擦があったりと葛藤が続いた時、hitomiが上司にかけられた言葉。
「お前がミッキーマウスになれ!」って完全にしびれましたね。この本の魅力は、一見メイドカフェというものからは感じづらい熱いドラマなのでしょう。
"萌え"の正体
"萌え"って、男女共通の感情だと思うんです。
異性に対しての恋愛感情などではなく、性別を飛び越えて、動物やそれこそキャラクターをどうしようもなく愛おしいと感じる気持ち。
これが"萌え"なんだろうなって。だからアニメ業界でよく使われるんだと思うんですよね。
みなさん、これが萌えなんです。なにかをどうしようもなく愛おしい感じる気持ち。
女子が得体の知れないキャラクターをみて「かわいー!!!」を連呼する、あの謎の言動も萌えなのかもしれません。
カップル対応の極意
もちろんおふたりとも大切なご主人様・お嬢様なのですが、私はこういう場合、あえてお嬢様のほうを立てつつ会話の中心に持ってくるようにお話します。
ご主人様を中心にするとそんなつもりがなくてもメイドが媚びているように見えがち。
これは言われてみればたしかに納得できます。
僕が女友達を連れてメイドカフェに行った時にも、やけに積極的に喋りかけてるなぁと思いました。いや、女のお客さんはめったに来ないから、嬉しかっただけ?!
舞妓とメイドの隠れた共通点
舞妓とメイドの共通点に気付かされたのです。
まず舞妓さんにはしっかりと決められたメイクや衣装、話し方がありますよね。その"ルール"は、指定のメイド服を身にまとい、それぞれのキャラクター設定があって、@ほぉ~むカフェという世界観の中で楽しませるメイドとよく似ていると感じたのです。
お客さんに楽しんでいただくために舞妓さんが披露する三味線や舞踏、お座敷遊びとして知られる"とらとら""投扇興"など。
これも、私たちがご主人さまのために行う"愛込め""お歌のご奉仕(歌とダンス)"そして"萌え萌えじゃんけん"と同じだ!と思いました。
伝統文化である舞妓と、サブカルチャーであるメイドの共通点。舞妓をモデルケースとするのは面白い視点だと思います。
長い時を経てメイドという存在が人々に認められて、舞妓のように日本文化になって欲しいものですね。